採用・組織

準委任・派遣・請負の使い分け。企業が外部人材を受け入れるときの契約の選び方

イーランサー・ジャパン株式会社 約3分

外部人材を受け入れる際、契約形態は「どれでもよい」ものではありません。指揮命令をするかどうかで、選べる契約が変わります。ここを取り違えると、法令違反にあたる可能性があります。この記事では、3つの契約形態の違い、選び方の判断軸、そして偽装請負と判断されないための実務上の注意点を整理します。

3つの契約形態

外部人材を受け入れる方法は、大きく3つに分かれます。

契約形態報酬の対象指揮命令
準委任契約業務の遂行そのものできない
請負契約仕事の完成(成果物)できない
労働者派遣労働時間できる

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準委任と請負は、いずれも業務委託と呼ばれる形です。受け手は独立した事業者であり、業務の進め方は自分で決めます。発注側は成果や遂行に対して報酬を支払いますが、作業の手順や時間を指示することはできません。

労働者派遣は性質が異なります。派遣先が指揮命令者を置き、日々の作業指示を出せます。その代わり、労働者派遣法に基づく手続きと制約があり、派遣事業の許可を持つ事業者を通す必要があります。

分かれ目は「指揮命令の有無」

3つを分ける最も重要な軸が、日々の指揮命令をするかどうかです。

ここを判断するには、実務の場面を思い浮かべるのが確実です。

これらに「はい」が多いなら、実態は労働者派遣に近い状態です。契約書に「業務委託」と書いてあっても、実態が優先されます。

逆に、成果物や達成すべき状態を伝え、進め方は相手に委ねるのであれば、業務委託が適切です。「何をしてほしいか」は伝えられますが、「どうやるか」は指示できないと考えると分かりやすくなります。

どう選ぶか

判断の順序は次のようになります。

ITの現場で最も多く使われるのは準委任契約です。要件が動く前提の開発や、継続的な運用支援では、成果物を事前に固定できないためです。

請負契約は、完成の定義がはっきりしている場合に限るのが安全です。定義が曖昧なまま請負にすると、「これで完成か」を巡って双方が消耗します。

偽装請負と判断されないために

業務委託の契約でありながら、実態として指揮命令が発生している状態が偽装請負です。労働者派遣法違反となる可能性があります。

常駐で受け入れる場合、境目が曖昧になりやすいのが実情です。実務上、次の点を整理しておくと判断がしやすくなります。

「指示を出さない」ことと「放置する」ことは違います。 目的と成果を共有し、認識をすり合わせる場を持つことは問題ありません。手順を細かく指定するかどうかが分かれ目です。

判断に迷う場合は、社内で決めずに専門家に確認することをおすすめします。

フリーランス新法で企業に生じた義務

2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」により、発注する側の企業には新たな義務が生じました。

対象となるのは、従業員を雇用していない個人、または役員1名のみで従業員のいない法人に発注する場合です。発注側は、従業員を1人でも雇用していれば適用対象となります。中小企業やスタートアップも例外ではありません。

主な義務は次のとおりです。

実務上とくに注意したいのが、条件を明示しないまま作業を開始してもらう運用です。「詳細は追って」という形で進めることが常態化している場合、法の求める形になっていない可能性があります。

※ 本記事は一般的な情報の整理であり、個別の契約や運用に関する法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士等の専門家にご相談ください。

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