採用・組織

IT人材不足はどこまで深刻か。数字で見る現状と、外部人材という選択肢

イーランサー・ジャパン株式会社 約3分

「エンジニアが採用できない」という声は以前からありますが、体感ではなく数字で見ると状況の性質が分かります。不足は今後さらに拡大する見通しであり、採用だけで埋めることは現実的ではありません。この記事では、公的な推計をもとに現状を整理し、社内採用・育成・外部人材活用をどう組み合わせるかを考えます。

数字で見るIT人材不足

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年時点でIT人材が不足するという推計が示されています。IT需要の伸びを複数のシナリオで想定しており、市場の成長が小さい場合でも約16万人、大きい場合は約79万人の不足とされています。

この調査で重要なのは、どのシナリオでも不足が解消されないという点です。楽観的な見通しを取っても、需要が供給を上回る構造は変わりません。

さらに深刻なのが、AI・データ活用といった先端領域です。同調査では、先端IT人材は2030年に約12.4万人が不足すると予測されています。企業がいま最も必要としている領域ほど、確保が難しい構図です。

企業側の実感を示すデータもあります。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024」では、DXを推進する人材の量が「大幅に不足している」と回答した企業が62.1%にのぼりました。2021年度の30.6%から倍増しています。

なぜ採用だけでは埋まらないのか

不足が続く理由は、単に「募集しても来ない」だけではありません。構造的な要因が重なっています。

とくに4つ目が現場の実情です。求人倍率は高いのに未経験者を採用しづらい、という矛盾の背景には「教育に割ける時間が現場にない」という事情があります。人が足りないから採用したいのに、人が足りないから育てられない、という循環です。

3つの手段と、それぞれの限界

人材を確保する手段は、大きく3つです。それぞれに向き不向きがあります。

手段向いている場面限界
正社員採用長期的に組織の中核を担う人材採用に数か月〜1年、競合が多く条件面での競争になる
社内育成自社の業務に精通した人材を作る成果が出るまで年単位、教える側の体制が必要
外部人材の活用特定領域の専門性を、必要な期間だけ確保するノウハウが社内に残りにくい、依存すると継続性に不安

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重要なのは、どれか1つを選ぶ話ではないということです。中核となる領域は採用と育成で固め、専門性が高く一時的に必要な部分は外部で補う。この組み合わせが現実的な解になります。

外部人材が向く場面・向かない場面

外部人材の活用が特に効くのは、次のような場面です。

逆に、向かない場面もあります。

最後の点は見落とされがちです。「人手が足りないから誰か入れたい」という状態で外部人材を迎えても、指示する側の負担が増えるだけになります。何を任せるかが決まっていることが前提です。

外部人材を活かすための準備

実際に活用する際、成果を左右するのは受け入れ側の準備です。

最後の項目は法的な論点を含みます。契約上は業務委託でも、実態として日々の指揮命令が発生していれば労働者派遣に該当する可能性があります。受け入れ方を決める段階で確認しておくべき部分です。

また、ノウハウを社内に残す仕組みも設計しておく価値があります。ドキュメントの作成を成果物に含める、社内メンバーとペアで進める、といった工夫で、外部人材が抜けた後の継続性が変わります。

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