未経験からエンジニアになる方法。5つの経路と、準備すべきこと
未経験からエンジニアへの転職は可能ですが、簡単ではありません。この記事では、実態を率直に整理したうえで、現実的な経路と準備を示します。
まず現実を整理する
未経験からの転職について、率直な前提を示します。
可能ですが、簡単ではありません。実務経験のある人が優先されるのは、どの職種でも同じです。
ただし、需要はあります。経済産業省の試算では2030年に最大約79万人のIT人材が不足するとされ、育成前提の採用を行う企業は存在します。
年収は下がる可能性があります。経済産業省の調査では、新人・初心者レベルの平均年収は約437万円という数字が示されていますが、完全な未経験ではこれより低い水準から始まる場合があります。
この前提を踏まえたうえで、何をすべきかを整理します。
入り方は複数ある
未経験からの経路は、ひとつではありません。
- 社内で異動する/最も現実的。業務知識を持ったままIT側へ移る
- SES企業に入る/入口が広い。ただし配属される案件で経験が大きく変わる
- 受託開発会社/育成の仕組みがある企業もある
- 情報システム部門/事業会社の社内IT。運用から始まることが多い
- 近い職種から/テスト、サポート、運用監視。開発への足がかりになる
1つ目が最も見落とされています。いまの会社にIT部門があるなら、まず社内での異動を検討する価値があります。業務を知っている人がIT側へ移るほうが、外から採るより企業にとっても有利です。
何を準備するか
採用側が見ている点から逆算します。
作ったものがあるか。学習の証明として、動くものを作った経験が最も伝わります。規模は小さくて構いません。
継続できているか。数か月続けた記録があるかどうか。学習の記録を残すことが、そのまま証明になります。
基礎を理解しているか。言語の文法だけでなく、仕組みの理解。資格が学習の指針として機能する場面です。
前職の経験を説明できるか。これが最も差になります。営業、経理、製造、医療。その業界を知っていること自体が、技術者としての価値になります。
前職の経験は武器になる
未経験という言葉に引きずられがちですが、正確ではありません。
プログラミングは未経験でも、社会人経験はあるという状態です。
業務知識を持つ技術者は希少です。会計を知っている、製造の現場を知っている、医療の実務を知っている。技術だけの人より、要件を理解できます。
顧客と話せることも強みです。営業経験があれば、要件のヒアリングで力を発揮します。
この観点で応募先を選ぶと、通過率が変わります。前職の業界を顧客に持つ企業を狙うのが、最も合理的です。
注意すべきこと
この分野では、誤った情報も流通しています。
「誰でも年収1000万」といった訴求には注意が必要です。実務経験を積んだ上位層の話であり、入口の水準ではありません。
短期間で習得できるという宣伝も、実態とは異なります。数か月で基礎は学べますが、実務で通用する水準には時間がかかります。
高額な費用を要する学習サービスについては、内容と費用を慎重に比較すべきです。無償や低額の学習手段も多く存在します。
そして、入った後が本番です。転職できたことは出発点であって、そこから数年かけて経験を積む必要があります。
入った後にすべきこと
最初の数年の過ごし方が、その後を左右します。
担当を明確にしてもらう。何をする役割なのかが決まっていないと、雑務で数年が過ぎます。
レビューを受ける。自分の書いたものを見てもらえる環境かどうかで、成長の速度が変わります。
記録を残す。何をどう解決したか。次の選択肢を持つための資産になります。
1年後に振り返る。経験が積み上がっているか。同じ作業の繰り返しなら、環境を変える判断も必要です。
入った企業が合わないこともあります。その場合、早めに移るほうが結果的に損失は小さくなります。
スクールを使うべきか
学習手段の選択について、率直に整理します。
有償のスクールが必要とは限りません。無償や低額の学習手段が多く存在します。公式ドキュメント、オンライン講座、書籍。
スクールの利点は、質問できることと、強制力があることです。独学で挫折する人にとっては意味があります。
注意すべきは費用と内容の比較です。高額なサービスが、それに見合う内容とは限りません。
「就職保証」といった訴求には、条件を確認する必要があります。どういう企業を紹介されるのか、条件を満たさない場合どうなるのか。
まず無償の手段で数か月続けてみて、それでも進まない場合に検討するという順序が安全です。
現実的な期間
どれくらいで転職できるかについて、目安を示します。
基礎の習得に3〜6か月。言語の文法、簡単なアプリケーションの作成。個人差は大きくなります。
応募できる水準まで6〜12か月。作ったものがあり、基礎を説明できる状態です。
実務で戦力になるまで、入社後1〜2年。ここからが本番です。
「3か月で転職」という訴求は、可能ではあっても一般的ではありません。入れる企業が限られる可能性があります。
焦って早く入るより、準備してから入るほうが、その後の選択肢が広がります。ただし、実務でしか学べないことも多いため、完璧を目指す必要はありません。
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