20代エンジニアのキャリア戦略。この時期に優先すべき3つのこと
20代は、その後の専門性の方向が決まる時期です。一方で、失敗が取り返しやすい時期でもあります。この記事では、何に投資すべきかを整理します。
この時期に何が決まるか
20代は、その後の専門性の方向が決まる時期です。
何を学んだかより、どの領域で経験を積んだかが後に効きます。30代で専門性が固まり、40代でそれが評価の中心になる。この流れが一般的です。
ただし、20代で決めたものが最終形になるわけではありません。領域の変更は可能で、実際に多くの人が経験しています。
重要なのは、この時期の失敗が取り返しやすいことです。合わない環境なら移れます。可逆性が高い時期に、選択肢を試しておく価値があります。
優先すべき3つのこと
限られた時間で何に投資するかを整理します。
第一に、手を動かす量を確保する。設計や判断は経験の蓄積が前提です。実装の経験が薄いまま上流に進むと、判断の質が上がりません。
第二に、基礎を固める。ネットワーク、データベース、セキュリティ。流行の技術より、長く使える基礎のほうが投資効率が高くなります。
第三に、記録を残す。担当した仕事、判断の理由、結果。後からまとめて作ることはできません。
3つ目が最も軽視されがちです。30代で転職を考える段階になって、実績を説明できないという状況が実際に起きます。
環境の選び方
この時期は、何をするかと同じくらい、どこでするかが影響します。
教えてくれる人がいるか。レビューを受けられる環境かどうかで、成長の速度が変わります。独学だけでは限界があります。
技術環境が古すぎないか。現在使われていない技術での経験は、市場では評価されにくくなります。
担当範囲が広いか。細分化された作業だけでは、全体を理解する機会がありません。
これらは入社前に確認できます。面談で具体的に聞くべき項目です。企業名や規模より、この4点のほうが成長に影響します。
転職を考えるとき
20代での転職について、実務的な観点を整理します。
短期間での転職が不利になるかは、理由によります。説明できる理由があれば問題になりにくく、繰り返しが多い場合に懸念されます。
移る前に、社内で試せることを確認するのは有効です。担当を変えてもらう、別の案件に手を挙げる。転職より費用がかかりません。
年収だけを理由にした転職は、注意が必要です。この時期は、報酬より経験の質のほうが長期の収入に効きます。
逆に、成長できない環境に留まるのは損失です。1年前と同じ仕事をしているなら、経験は積み上がっていません。
陥りやすい状況
この時期に起きやすい問題を挙げます。
- 雑務ばかりになる/担当が決まっておらず、数年が過ぎる
- 特定の製品しか知らない/その会社の独自システムの知識だけが増える
- 学ぶ習慣がつかない/業務で使う範囲しか触れない
- 比較対象がない/その環境が普通だと思い込む
- 実績を記録していない/振り返ったときに説明できない
4つ目への対処が有効です。社外の人と話す機会を年に数回持つだけで、自分の環境を相対化できます。
焦る必要はない
最後に、この時期の心構えについて書いておきます。
同年代との比較は、あまり意味がありません。領域も企業も違えば、進み方も違います。
技術の入れ替わりは速いですが、基礎は変わりません。流行を追い続ける必要はなく、土台を固めることのほうが長期では効きます。
そして、20代で決まることは思うほど多くありません。30代、40代で領域を変えた人も多くいます。
この時期にやるべきは、選択肢を狭めないことだと考えます。基礎を持ち、実績を記録し、市場を知っている。この状態なら、後からどの方向へも進めます。
最初の1年で見るべきこと
入社直後の期間に確認すべき点を挙げます。
自分の担当が決まっているか。何をする役割なのかが曖昧なまま数か月が過ぎる例があります。
フィードバックがあるか。自分の書いたものを見てもらえるか。指摘を受ける機会がなければ、成長は止まります。
質問できる相手がいるか。聞ける環境かどうかは、習得の速度に直結します。
業務時間内に学べるか。すべてを業務外で学ぶ前提の環境は、長期的に消耗します。
これらが揃っていない場合、1年で判断してよいと考えます。合わない環境に留まるほうが、損失は大きくなります。
社外とのつながり
20代のうちに始めておく価値があるものを挙げます。
勉強会や技術イベント。同年代の技術者が、どういう環境で何をしているかが分かります。自分の環境を相対化する機会です。
前職や同期との関係。個人の連絡先を交換しておきます。会社経由の関係は、退職と同時に切れます。
技術記事の発信。強制ではありませんが、学んだことを書く習慣は、理解の確認にもなります。
この年代では、つながりが直接仕事につながることは少ないかもしれません。ただし、10年後に効いてきます。紹介で仕事が来るのは、こうした関係の蓄積によるものです。
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