キャリア

サーチエンジニアとは。検索基盤を担う職種の仕事とスキル

イーランサー・ジャパン株式会社

検索は、どのサービスにもある機能でありながら、専門に担う人が少ない領域です。生成AIの普及で検索の重要性が上がり、あらためて注目されています。この記事では、サーチエンジニアが何をする職種なのかを整理します。

どういう職種か

サーチエンジニアは、サービス内の検索機能を設計し、精度を上げ続ける職種です。検索窓に文字を入れて結果が並ぶ、あの部分を専門に扱います。

一見すると単純な機能に見えますが、「意図した結果が上に出る」状態を保つのは継続的な作業です。商品が増え、ユーザーの入力の癖が変わり、季節で需要が動くたびに、同じ設定では結果がずれていきます。

専任を置く企業は多くありません。そのためバックエンドエンジニアが兼務していて、誰も改善を担当していないという状態がよく見られます。

なぜいま注目されるのか

理由は2つあります。

ひとつは、検索がそのまま売上に効くと理解されてきたこと。ECや求人、不動産のように「探して選ぶ」サービスでは、検索結果の質がコンバージョンに直結します。広告費をかけて集めた人が、探しているものを見つけられずに離脱していれば損失です。

もうひとつは、生成AIの土台に検索が入ったこと。RAGのように外部データを参照して回答する仕組みでは、検索が外すと、その後どれだけ良いモデルを使っても正しい答えは出ません。AIの精度問題が、実は検索の問題だったという場面が増えています。

実際の仕事

業務は大きく4つに分かれます。

実務で時間を使うのは3番目と4番目です。基盤の構築は最初の数か月で終わりますが、ランキングの調整に終わりはありません。

使う技術

中心になるのは全文検索エンジンです。

加えて、日本語特有の課題があります。英語と違って単語が空白で区切られていないため、文章をどう分割するかで結果が変わります。表記ゆれ、同義語、送り仮名の違いも扱う必要があります。

この日本語処理の知見が、参入障壁になっている面があります。海外の事例をそのまま持ち込んでも、日本語では期待どおりに動きません。

キーワード検索とベクトル検索

従来の検索は、入力された文字列と一致するものを探します。対してベクトル検索は、意味の近さで探します。「軽いノートパソコン」で「モバイルPC」が出てくるのはこちらの働きです。

ただし、ベクトル検索に置き換えれば良いというものではありません。

実務では両方を走らせて結果を統合する構成が主流です。どちらを重く見るかの調整が、そのままサーチエンジニアの腕になります。

求められるスキル

技術だけでは務まらない職種です。

3番目が抜けると、技術的には正しいが事業には合わない検索ができあがります。在庫のない商品を関連度が高いという理由で上位に出しても、事業上は損失です。

キャリアの広げ方

入り口は複数あります。

広げ方としては、推薦(レコメンド)への展開が自然です。検索は「探しに来た人に出す」、推薦は「探していない人に出す」という違いだけで、扱う技術とデータは重なります。

専任の求人はまだ多くありませんが、検索を担える人材そのものが少ないため、需要に対して供給が追いついていない状態です。

発注する側の視点

自社サービスの検索を改善したい場合、最初にやることは人を探すことではありません。

  1. 検索ログを取っているか確認する。取っていなければ、そこから始める
  2. 結果がゼロ件になっている検索語を洗い出す
  3. 検索した人と、しなかった人のコンバージョン差を測る
  4. そのうえで、改善に見合う規模かを判断する

2番目のゼロ件検索は、最も分かりやすい改善余地です。ユーザーが探しているのに何も出てこない状態が、日々どれだけ起きているか。これを見ずに検索エンジンを入れ替えても、同じ問題が残ります。

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