採用・組織

データ分析の体制はどう作るか。最初の1人と、任せる範囲

イーランサー・ジャパン株式会社

データを活用したいが、誰をどう採ればよいか分からない。そうした相談が増えています。この記事では、分析体制を立ち上げるときの順序と、役割の分け方、外部人材の使いどころを整理します。

順序を間違えない

データ活用を始めるとき、多くの企業がデータサイエンティストの採用から入ります。これは順序として無理があります。

分析ができる状態には前提があります。データがどこかに集まっていて、必要な形で取り出せること。この前提が整っていない会社にデータサイエンティストが入ると、最初の半年をデータの掘り起こしと整形に費やすことになります。

本人にとっても、採った側にとっても不幸な状態です。期待していた分析結果は出ず、本人は望んでいない作業を続けることになります。

3つの役割を分けて考える

「データ人材」とひとくくりにされがちですが、実際には別の職種です。

必要になる順序は、おおむねこの並びのとおりです。土台がなければ集計できず、現状が説明できないうちに予測を作っても使われません。

3つを1人で担える人材もいますが、希少で高額です。その1人が抜けたときに何も残らないという危うさもあります。

最初の1人をどう選ぶか

自社の状態によって、採るべき人が変わります。

判断に迷ったら、「明日、売上を事業部別・商品別に出せますか」と社内に聞いてみてください。数日かかる、あるいは人によって数字が違うなら、必要なのはサイエンティストではありません。

採用が難しい理由

この領域の採用が難しいのには構造的な理由があります。

評価する側にスキルがない。面接する人がデータ分析を理解していないと、経歴と資格でしか判断できません。実務でどこまでできるかは、それでは分かりません。

求人票が実態と合っていない。「機械学習で新しい価値を」と書かれているのに、入社してみるとExcelの集計だったという例が後を絶ちません。入る側もそれを警戒しているため、良い人ほど応募を避けます。

対策は単純です。求人票に、最初の半年で何をしてもらうかを正直に書くこと。データ整備から始まるなら、そう書いたほうが結果的に良い人が来ます。

外部人材の使いどころ

常時雇用が難しい場合、外部人材を組み合わせる選択肢があります。向いている場面とそうでない場面があります。

「立ち上げは外部、運用は内部」が基本の形です。基盤づくりには専門性が要りますが、一度できてしまえば運用は社内で回せます。

逆に、分析結果をどう事業に反映するかの判断は外に出せません。ここを外部任せにすると、示唆は出るが誰も動かないという状態になります。

よくある失敗

立ち上げがうまくいかない場合、原因はだいたい4つに収まります。

  1. 目的を決めずに人を採った。何を分析するかが決まっていない
  2. 基盤を飛ばして分析から始めた。データ整形に時間を取られる
  3. 分析組織を事業から切り離した。示唆が現場に届かない
  4. 成果を短期で求めた。データ活用は初年度に大きな数字が出にくい

3番目が最も見落とされます。分析チームを独立部署にすると、事業部の課題感から遠くなり、「面白いが使えない分析」が量産されます。事業側に人を置くか、少なくとも定例で接点を持つ設計が要ります。

小さく始める

体制づくりは、いきなり組織を作るより、1つのテーマで成果を出してから広げるほうが確実です。

  1. 事業部から、数字で困っているテーマを1つもらう
  2. そのテーマに必要なデータだけを整える
  3. 2〜3か月で結果を出し、事業部と一緒に振り返る
  4. 効果が確認できたら、対象を広げて人を増やす

この進め方なら、成果が出たあとに採用の予算を取りに行けるため、社内の合意も取りやすくなります。

定着させるために

採った人が辞めてしまう理由は、報酬よりも環境であることが多いようです。

1番目は組織側で解決できます。データアクセスの権限設計を先に整えておくだけで、入社後の立ち上がりが大きく変わります。

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