キャリア

40代以降のエンジニアキャリア。選択肢と、維持すべきもの

イーランサー・ジャパン株式会社

40代以降のキャリアは、若手とは前提が異なります。この記事では、実態を率直に整理したうえで、この年代の強みと選択肢を示します。

40代以降に起きること

この年代の実態を、率直に整理します。

年収の伸びは緩やかになります。統計上も、多くの職種で経験年数に応じた上昇はどこかで頭打ちになります。ここから先を押し上げるのは、担当範囲の広さや意思決定の重さです。

求人の数は減ります。年齢を理由に応募できない案件が出てきます。ただし、これは全体の話であって、専門性がある人には別の市場があります。

役割の転換を求められます。自分で手を動かすより、任せて進める立場へ。

一方で、この年代の強みもあります。失敗の経験、判断の蓄積、人脈。若手が持たないものです。

選択肢の整理

この時期に取りうる道を挙げます。

4つ目は、この年代で選ぶ人が多い道です。実績と人脈があるため、若手より独立の成功率は高くなります。

ただし、営業できるかが分かれ目です。技術力があっても、仕事を取れなければ続きません。

何を維持すべきか

この年代で市場価値を保つために必要なものを整理します。

手を動かし続ける。完全に管理側に回ると、技術者としての市場価値は下がります。戻ろうとしても戻れなくなります。

学び続ける。技術は変わります。10年前の知識だけでは通用しません。

人脈を保つ。この年代では、仕事は紹介で来ることが増えます。会社の外に個人的なつながりがあるかどうかが効きます。

健康を維持する。体力の問題は現実的に効いてきます。長時間の対応が難しくなる場面があります。

1つ目と3つ目が、とくに差になります。

この年代の強み

不利な面だけではありません。

失敗を知っている。うまくいかない進め方を経験しているため、危険を早く察知できます。

判断の蓄積。似た状況を何度も見ているため、決めるのが速くなります。

関係を作れる。顧客、経営層、他部署。年齢が信頼につながる場面があります。

業界の知識。長く同じ業界にいれば、業務の理解が深まります。技術と業務の両方を知る人材は、どの年代でも希少です。

これらは若手が短期間で得られないものです。若手と同じ土俵で競う必要はありません。

50代以降を見据えて

さらに先を考えた準備について整理します。

定年後も働く前提で考える必要があります。厚生労働省の統計では、65歳時点の平均余命は男女とも20年前後とされます。60歳で終わりではありません。

雇用に依存しない収入源を持っておくと、選択の自由度が上がります。業務委託、技術顧問、執筆。

肩書きに依存しない実績も重要です。役職が外れたときに、何が残るか。

そして、教える力。需要が続く領域です。技術を持ち、伝えられる人は少なくありません。

いずれも、40代のうちに準備を始めるかどうかで差がつきます。

この年代の見方

最後に、心構えについて書いておきます。

若手と同じ競争をする必要はありません。速さや新しい技術の習得では不利ですが、判断と経験では有利です。

一方、変化を拒むと急速に価値が下がります。この年代で最も避けるべきは、学ぶことをやめることです。

経済産業省の試算では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足するとされます。需要そのものは続きます。

問われるのは、その需要に応えられる状態を保てるかです。年齢そのものが問題になるわけではありません。

独立という選択

この年代で独立を選ぶ人は多く、成功率も若手より高い傾向があります。理由を整理します。

実績がある。何ができるかを、過去の仕事で示せます。

人脈がある。最初の仕事は、多くの場合これまでの関係から来ます。

判断できる。案件の危険性、価格の妥当性。経験から判断できます。

一方、課題もあります。営業活動が必要で、収入が不安定になり、社会保険や税務の手続きが自己負担になります。

準備として有効なのは、副業から始めることです。在職中に1件でも自分で受注した経験があると、独立後の見通しが立ちます。

伝える側に回る

この年代の選択肢として、教える役割があります。

社内での育成。若手の指導、技術の標準化。組織に蓄積を残す役割です。

研修や講師。企業研修、教育機関。実務経験があることが前提の仕事です。

執筆・発信。技術書、記事、登壇。直接の収入は限られますが、認知と信用につながります。

技術顧問。複数の企業に助言する形。週1日程度の関与で成立する場合もあります。

共通するのは、経験の蓄積が資本になることです。若手には提供できない価値があります。

ただし、伝える技術は別のスキルです。知っていることと、教えられることは違います。

参考文献
  1. 厚生労働省「簡易生命表」
  2. 経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」

本文中の数値は各調査時点のものです。調査主体により定義や推計方法が異なるため、出典を確認のうえご参照ください。

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