その他の主要言語まとめ。Go・Rust・C#・PHP・Ruby・Swift・Kotlin・R
Python、Java、JavaScript、C/C++、SQL以外にも、実務で使われている言語があります。この記事では、それぞれがどの領域を担い、案件と単価がどうなっているかを一覧で整理します。
Go|クラウド基盤の言語
Googleが開発した言語で、クラウド基盤や大規模サービスのサーバー側で広く使われています。
特徴は、書き方が単純で、動作が速く、並行処理を扱いやすいことです。文法の要素が少なく、書き方の個人差が出にくいため、複数人での開発に向きます。
実際、コンテナ関連の主要なソフトウェアがGoで書かれており、クラウド基盤の領域では事実上の標準に近い位置にあります。
単価レンジは月額75〜100万円と、比較的高い水準です。扱える人が需要に比べて少ないためです。案件数はJavaやJavaScriptより少なく、経験者が求められる傾向があります。
Rust|安全性と性能の両立
TIOBEでは2026年7月に初のトップ10入りを果たし、8月も10位(1.45%)を維持しています。
特徴は、C++と同等の性能を保ちながら、メモリに関する誤りを言語の仕組みで防ぐことです。実行前に問題を検出できるため、安全性が求められる領域で採用が進んでいます。
報道では開発者の給与で24%の上乗せがあり、伸び率も高いとされます。一方、TIOBEは「上昇に鈍化の兆し」とも指摘しています。
習得の難易度は高い部類です。安全性を保証する仕組みが、書き方の制約として現れるためです。案件数はまだ限られ、単価は月額80〜110万円程度と高めですが、募集の総数は多くありません。
C#|企業システムとゲーム
Microsoftが開発した言語で、TIOBEの2025年の年間言語に選ばれました。前年比の伸びが最も大きく、2026年1月に7.39%に達したとされます。
用途は2つに分かれます。ひとつは企業システム。.NETという基盤の上で、業務アプリケーションを構築します。Windows環境やAzureとの相性がよく、Javaと市場を分け合う関係です。
もうひとつはゲーム開発。Unityというゲームエンジンで使われる言語がC#です。この領域では他に選択肢が少なくなります。
言語としてはJavaに近く、どちらかを習得していればもう一方の学習は速くなります。
単価レンジは月額60〜85万円です。企業システムとゲームで案件の性質が大きく異なります。
PHP・Ruby|Webサービスの言語
どちらもWebサービスの開発で長く使われてきた言語です。
PHPは、Webサイトの構築で圧倒的な実績があります。WordPressをはじめとする多くのシステムがPHPで動いており、稼働中のサイト数では他を大きく上回ります。近年TIOBEでの順位は下降傾向ですが、保守案件は継続的に発生します。
Rubyは、Ruby on Railsという枠組みとともに、スタートアップのWebサービスで広く採用されました。短期間で形にできることが特徴です。日本で開発された言語である点も、国内案件では意味を持ちます。
両者とも単価レンジは月額55〜80万円です。案件数は多いものの、新規開発より既存システムの改修が中心になる傾向があります。
Swift・Kotlin|スマートフォンの言語
スマートフォンアプリの開発では、対象の端末によって言語が決まります。
SwiftはiOS向け、KotlinはAndroid向けです。いずれも、以前使われていた言語(Objective-C、Java)の後継として推奨されている位置づけです。
この領域の特徴は、選択の余地が少ないことです。iOSアプリを作るならSwift、AndroidならKotlin。両方に対応する場合、2つ書くか、両方に対応する枠組み(Flutter、React Nativeなど)を使うことになります。
単価レンジは月額65〜95万円です。両方のプラットフォームを扱える人材は相対的に少なく、評価されやすくなります。
R・その他の専門言語
特定の領域に特化した言語も、実務で使われています。
- R/統計解析、学術研究、医薬。TIOBEで10位圏に復帰した
- MATLAB/工学分野の数値計算。TIOBEでは2026年8月にトップ20を外れた
- ABAP/SAP専用。単価は月額90〜120万円と高いが、扱う場が限られる
- COBOL/金融や公共の基幹システム。稼働資産が膨大で、保守の需要が残る
- シェルスクリプト/サーバー運用で必須。単体の案件はないが、できないと困る
これらに共通するのは、扱える人が少ないことです。需要の総量は小さくても、供給がさらに少なければ単価は上がります。COBOLの保守案件が高単価になるのは、この構造によるものです。
選ぶときの考え方
網羅的に見たうえで、判断の指針を示します。
案件数を優先するなら、Java、JavaScript/TypeScript、PHP。入口が広く、経験を積む機会が多くなります。
単価を優先するなら、Go、Rust、SAP(ABAP)。ただし経験者が求められるため、未経験からの参入は難しくなります。
用途が決まっているなら、選択の余地はほぼありません。iOSならSwift、AndroidならKotlin、統計ならR。
最も重要なのは、単価は言語ではなく工程と専門性で決まるという点です。同じ言語でも、実装のみと設計まで担う場合では倍近い差が生じます。言語選びに時間をかけるより、選んだ領域で深さを作るほうが、結果として単価に効きます。
なお本記事の単価はいずれも民間各社の案件からの集計で、公的統計ではありません。
古い言語の案件は残る
COBOLをはじめとする古い言語について、補足しておきます。
金融、保険、公共の基幹システムには、数十年前に作られたものが稼働し続けています。これらは規模が大きく、正確性が絶対条件であるため、簡単には置き換えられません。
扱える技術者は高齢化が進み、供給が減り続けています。需要が減る速度より、供給が減る速度のほうが速い状態です。
結果として、単価は高く、案件は継続的に発生します。ただし、新しい技術に触れる機会は少なくなります。
この領域を選ぶかどうかは、何を重視するかによります。安定性と単価を取るか、技術の新しさを取るか。どちらが正しいという話ではありません。
複数の言語を扱えることの意味
最後に、言語を増やすことの効果を整理します。
2つ目以降の習得は、大幅に速くなります。プログラミングの概念は共通しており、変わるのは書き方の細部だからです。
実務的な利点は3つです。案件の選択肢が広がる。システム全体を見渡せる。言語ごとの得手不得手を判断できる。
ただし、浅く広くは評価されません。「5言語できます」より「1つを深く理解し、他も読める」ほうが実務では価値があります。
現実的な組み合わせとしては、主軸の言語1つ+SQL+周辺の1つという形が多く見られます。たとえばJava+SQL+JavaScript、Python+SQL+Goといった構成です。
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