キャリア

自分で稼ぐ力とは何か。会社の外でも通用する4つの要素

イーランサー・ジャパン株式会社

「自分で稼ぐ力をつけたい」という言葉はよく聞きますが、中身が曖昧なまま使われがちです。技術力のことなのか、営業力のことなのか。この記事では、稼ぐ力を4つの要素に分解し、会社にいる間にどこまで確かめられるのかを整理します。

スキルがあることと、稼げることは別

最初に区別しておきたいのは、技術力の高さと収入は自動的には結びつかないということです。

会社員として給与を受け取っている間は、顧客を見つけるのも、値段を決めるのも、代金を回収するのも会社が担っています。個人が担当しているのは「納品」だけである場合がほとんどです。

「稼ぐ力」とは、会社が肩代わりしている残りの工程を、自分で回せる状態を指します。

稼ぐ力を構成する4つの要素

分解すると、次の4つになります。

4つのうち最も軽視されるのが「値段をつける」です。会社員の期間が長いほど、自分の仕事に値札をつけた経験がありません。ここは訓練が必要な領域です。

収入の実態はどうなっているか

個人で働く人の収入について、いくつかの調査があります。専業フリーランスの年間収入平均は528.1万円という調査結果がある一方、同じ調査で収入への不満度が最も高く42.4%、月収0円の月がある人が3割を超えるとも報告されています。

ITの領域では単価が高い傾向にあるとされますが、いずれの集計も案件を継続的に取れている人の数字である点には注意が要ります。単価の高さと、年間を通じた収入の安定は別の話です。

国税庁の調査では給与所得者の平均給与は478万円(2024年分)とされます。金額だけを並べれば個人のほうが高く見えますが、社会保険、退職金、有給、収入が途切れないことの価値を含めて比較する必要があります。

会社にいる間に確かめられること

独立してから4要素を初めて試すのは、順序として危険です。在職中に検証できることがあります。

2回目の依頼が来るかどうかが、最も正直な指標です。1回目は運や紹介で成立しますが、2回目は成果に対する評価だからです。

注意しておきたいこと

「稼ぐ力」を、会社を辞めることと同義に扱う議論には注意が必要です。

実際には、組織の中でしか経験できない規模の仕事があります。大規模なシステム、長期の事業、多人数の組織運営。これらは個人では経験できません。

目的は独立そのものではなく、「所属先が変わっても収入を作れる」という選択肢を持つことです。選択肢を持ったうえで会社に残るのは、十分に合理的な判断です。

値付けの具体的な考え方

4つの要素のうち、最も訓練が必要な「値段をつける」を具体的に見ていきます。

会社員の発想では、かかった時間×時給で計算しがちです。しかしこの方式では、速く終わらせるほど収入が減ります。熟練するほど不利になる計算式です。

実務では相手にとっての価値から逆算するほうが妥当です。その仕事で相手の売上がいくら増えるか、いくら損失が防げるか、何時間が空くか。金額の根拠を相手の言葉で説明できると、交渉は成立しやすくなります。

最初は断られる金額を知ることも成果です。受注率が10割なら、価格が低すぎる可能性があります。

会社にいながら積み上げられるもの

在職中に用意しておくと、選択肢が広がるものがあります。

これらは独立しなくても価値があります。社内での交渉力にもそのまま効くためです。稼ぐ力を高めることは、会社を離れる準備であると同時に、いまの場所で選ばれる力を高めることでもあります。

参考文献
  1. 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
  2. マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2025年版」

本文中の数値は各調査時点のものです。調査主体により定義や推計方法が異なるため、出典を確認のうえご参照ください。

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