エンジニアの職種一覧。何をする人たちなのか、どう違うのか
「エンジニア」と一括りにされますが、実際の仕事は職種によってまったく違います。同じ会社にいても、隣の席の人が何をしているか分からないことすらあります。この記事では、主な職種が何を担っているのか、どう関係し合っているのか、そして境界が曖昧になっている部分を整理します。
まず3つの層で捉える
職種名を一つずつ覚えるより、システムがどの層でできているかを理解するほうが早道です。
- 見える部分/利用者が触れる画面。ここを作るのがフロントエンド
- 見えない部分/データの処理や保存。ここを作るのがバックエンド
- 土台の部分/すべてが動く基盤。ここを支えるのがインフラ
多くの職種は、このどこかに位置します。職種名が違っても、担当している層が同じなら仕事の性質は近いと考えると整理しやすくなります。
つくる人たち
フロントエンドエンジニア/利用者が見て操作する画面を作ります。JavaScript、TypeScript、React、Vue.jsといった技術が中心です。見た目だけでなく、操作の反応や表示速度も担当範囲になります。
バックエンドエンジニア/画面の裏側で動く処理を作ります。データの保存、計算、外部システムとの連携。Java、Python、Go、PHPなどが使われます。案件数で言えば、この領域が最も多いのが実情です。
モバイルアプリエンジニア/スマートフォンのアプリを作ります。iOSはSwift、AndroidはKotlinが標準です。端末固有の制約や、審査の仕組みへの理解も必要になります。
組込みエンジニア/機器の中で動くソフトを作ります。家電、自動車、産業機械。C言語やC++が使われ、限られた資源で確実に動かす技術が問われます。
ゲームエンジニア/ゲームの開発。UnityやUnreal Engineといった環境を扱い、描画性能や物理演算といった専門的な知識が要ります。
動かす人たち
インフラエンジニア/システムが動く土台を作り、支えます。かつてはサーバーの設置が中心でしたが、いまはクラウド上での設計・構築が主流です。
クラウドエンジニア/AWS、Azure、GCPを使って環境を作ります。インフラエンジニアとの境目は曖昧で、実質的に同じ仕事を指すこともあります。
SRE/システムを安定して動かし続けるための仕組みを作ります。監視、自動化、障害への備え。「壊れないようにする」より「壊れても止まらないようにする」という考え方が特徴です。
ネットワークエンジニア/通信の経路を設計し、管理します。クラウド上でも仮想的なネットワークの設計は必要で、この知識は消えていません。
セキュリティエンジニア/脆弱性を見つけ、対策を設計します。診断、セキュア開発の支援、インシデントへの対応。制度面の要求が強まり、需要が伸びている領域です。
データを扱う人たち
データエンジニア/散らばったデータを集約し、使える形に整える基盤を作ります。ETL、DWH、パイプライン。SQLとデータモデリングが中心的な技能です。
データサイエンティスト/データを分析し、示唆を出します。統計とビジネス理解の両方が必要で、Pythonが標準的に使われます。
機械学習エンジニア / AIエンジニア/モデルを実装し、システムに組み込みます。近年は自らモデルを学習させるより、既存のLLMをどう業務に組み込むかを設計する仕事が中心になりつつあります。
BIエンジニア/データをダッシュボードやレポートの形にし、現場が使えるようにします。技術より「何を見せるべきか」の判断が問われます。
まとめる人たち
プロジェクトマネージャー(PM)/期日、品質、費用、体制を管理します。技術的な判断もしますが、比重は調整と意思決定に移ります。
PMO/プロジェクトの進行を支える仕組みを作り、運用します。複数のプロジェクトを横断して見ることもあります。
ITコンサルタント/システムを作る前段階で、何をどう作るべきかを決めます。業務の設計、製品の選定、構想の策定。技術より業務と経営の言語で話す比重が大きいのが特徴です。
テックリード / アーキテクト/技術面の方針を決め、チームを技術で牽引します。手を動かしつつ、全体の構造にも責任を持つ立場です。
境界は曖昧になっている
ここまで分けて説明しましたが、実際の案件では境界が溶けています。
募集要件を読むと、フロントエンドの案件にクラウドの経験が併記され、バックエンドの案件にフロントエンドの経験が求められています。ひとつの層だけを担当する案件は減っているのが実情です。
理由はクラウドの普及にあります。サーバーを自分で用意する必要がなくなったぶん、開発者がインフラまで面倒を見る形が現実的になりました。逆にインフラ側も、構成をコードで書く時代になり、開発の作法が求められています。
この流れは、職種選びの考え方を変えます。「どの職種になるか」を最初に決めきる必要はありません。 ひとつの層を深く理解したうえで、隣接する層へ広げていくほうが実態に合っています。
実際、単価が上がりやすいのは複数の領域をつなげられる人です。技術と業務、開発とインフラ、データと業務。組み合わせが希少性を生みます。
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