キャリア

エンジニア出身・営業出身・マーケティング出身。CEOの経歴で、組織はどう変わるのか

イーランサー・ジャパン株式会社

同じ規模、同じ業界の会社でも、意思決定の癖はまったく違います。その差の一因が、経営者がどの職種から来たかです。この記事では3つのタイプを比べ、それぞれの強みと死角を整理します。転職や参画の判断材料としても、自分が経営に近づくときの自己点検としても使える視点です。

なぜ出身で差が出るのか

経営者は、情報が足りない状態で決断を下し続けます。判断の材料が揃わないとき、人は自分が最も自信を持てる領域の情報を重く見ます。

技術に自信がある人は技術で解こうとし、顧客との対話に自信がある人は現場の声を重く見て、数字の分析に自信がある人はデータで判断しようとします。

この癖は、組織の設計、投資の配分、採用の基準にまで及びます。 だからこそ、出身の違いが会社の性格をつくります。

なお、これは類型化であり、すべての人が当てはまるわけではありません。優れた経営者は、自分の出身に由来する偏りを自覚し、補っています。

エンジニア出身

強み

死角

この類型の企業では、プロダクトの品質は高いが、認知が広がらないという状態が生じやすくなります。

営業出身

強み

死角

この類型では、売上は伸びるが、開発現場が疲弊するという状態が起きやすくなります。技術的負債の蓄積も、この構図から生じます。

マーケティング出身

強み

死角

この類型では、認知は広がるが、使い続けてもらえないという状態が起きやすくなります。

働く側から見た違い

技術者として参画する立場から見ると、次のような違いが現れます。

エンジニア出身営業出身マーケ出身
技術の説明不要。すぐ通じる翻訳が必要数字に変換して伝える
納期の決まり方実装から逆算顧客との約束が先施策の時期が先
技術的負債理解される後回しになりがち数字にならず見えにくい
裁量技術判断は任される広いが方針が動く指標で管理される
注意点技術に寄りすぎる判断できない約束実装負荷の過小評価

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どれが良いという話ではありません。 自分がどこで力を発揮できるかによります。技術判断を任されたい人はエンジニア出身の組織が合いやすく、事業側の言語を学びたい人は営業やマーケ出身の組織で得るものがあります。

参画を検討する際、「経営者はどこから来た人か」を確認しておくと、入った後の想像がつきやすくなります。

死角をどう埋めるか

実際には、この偏りをどう補うかが経営の実力です。

補完する人を隣に置く。 エンジニア出身のCEOには営業やマーケの責任者を、営業出身のCEOには技術の責任者を。「技術の話を経営の言語に翻訳し、経営の話を技術の言語に落とし込む」役割を担う人がいるかどうかが分かれ目になります。

自分の癖を自覚する。 判断に迷ったとき、自分がどの領域の情報を重く見ているか。「これは自分の得意分野だから正しく見えているだけではないか」と問えるかどうかです。

苦手な領域を学ぶ。 技術者出身なら財務と市場を、営業出身なら技術の難易度感を、マーケ出身なら実装の負荷を。体系的に学べば埋まる部分です。

外部の目を入れる。 技術顧問、社外役員、アドバイザー。週数時間でも、自分にない視点を持つ人が意思決定に関わる意味は大きいとされます。

最後に、自分が経営に近づく立場なら、この整理はそのまま自己点検になります。強みは自然に発揮されますが、死角は意識しなければ埋まりません。

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