Pythonとは? 特徴と活用方法を分かりやすく解説

Pythonは、Webアプリケーション開発やデータ分析、機械学習など、多岐にわたる分野で活用されているプログラミング言語です。豊富なフレームワークやライブラリが充実しています。2025年1月時点のTIOBE指数で1位を獲得しており、たくさんのエンジニアから支持されている言語と言えるでしょう。また、エンジニアにとって欠かせないスキルの一つとして注目されています。本記事では、Pythonの概要や特徴、分野別のフレームワークやライブラリを分かりやすく紹介します。
Pythonとは

1990年代初頭にオランダ人のGuido van Rossum氏によって開発されたプログラミング言語です。「読みやすさ」と「わかりやすさ」を重視しており、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層に支持されています。Webアプリケーション開発やデータ分析、機械学習、ディープラーニングなど幅広い用途で利用されています。また、豊富なフレームワークやライブラリがそろっているため、多様なニーズに対応できるのも大きな魅力です。
Pythonの特徴
(1)学習がしやすい
Pythonは、インデント(字下げ)を使うことでブロック構造が表現され、コードが読みやすく理解しやすくなります。プログラミングにおいて変数の型は、明示的に宣言する静的型付け言語と明示的に宣言する必要がない動的型付け言語に分かれます。静的型付け言語では、変数ごとに型を指定する必要があり、誤った型を代入するとエラーが発生。一方、動的型付け言語のPythonでは型の指定が自動的に行われるため、変数の型を意識しないでスムーズな開発が可能です。
Pythonには、IDLE(Integrated Development Environment)の対話モードがあり、コードを簡単に実行できるため初心者でも手軽に学習を始められます。
(2)豊富なフレームワークとライブラリ
Webアプリケーション開発やデータ分析、機械学習で豊富なフレームワークやライブラリがあります。これらのフレームワークやライブラリを利用することで、効率的に開発を進めることができるでしょう。本記事ではフレームワークとライブラリを紹介します。
(3)教材が充実している
書籍やオンラインコース、公式のドキュメントなど学べる教材が充実しています。教材は、入門から応用まで幅広くあり、学習者に合った教材を選択するとよいでしょう。
分野別のフレームワークとライブラリ

Webアプリケーション開発やデータ分析、機械学習のフレームワークやライブラリをピックアップしたものを紹介します。
(1)Webアプリケーション開発
Webアプリケーション開発では、フロントエンドとバックエンドに役割が分かれています。フロントエンドは、ユーザーが直接操作するユーザーインターフェース(例:レイアウトやメニュー、ボタンなど)の「ふるまい」を実現するプログラムを開発。一方、バックエンドはフロントエンドからのリクエストを受けてデータベースのデータ取得・更新を行い、その結果をフロントエンドに返すプログラムを開発。これらの開発を効率化するために、フレームワークやライブラリが活用されます。次に、Webアプリケーション開発で利用される主なフレームワークやライブラリについて紹介します。
Flask
Flaskは、軽量で必要最低限の機能を備えたマイクロフレームワークとも呼ばれており、プロトタイプや小規模なWebアプリケーションを素早く開発するのに適しています。他のフレームワークと比べて機能が必要最低限に抑えられているため動作が軽快です。コア機能であるJinja2(テンプレートエンジン)は、同じデザインを使用して複数のページを効率的に生成ができ、効率的なWebアプリケーション開発が進められます。
Django
Djangoは、2005年にオープンソースとして公開されたフレームワークでMTV(Model-Template-View)アーキテクチャを採用しています。Web開発に必要な機能がそろっており、ユーザー認証や管理画面、Webフォームの送受信などの機能を提供。また、キャッシュシステム「memcached」を備えており、高速な処理が要求されるサービスなどで利用されています。セキュリティ面では、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などのリスクから保護するための機能も提供されています。
FastAPI
FastAPIは、WebアプリケーションやAPIを構築するためのフレームワークです。型ヒントは、APIのリクエストやレスポンスのデータ型を明確に定義でき、コードの可読性や開発効率の向上に役に立ちます。また、非同期処理機能を標準でサポートしており、外部APIとの通信で待機時間を効率的に処理することができてアプリケーションのパフォーマンスを向上させることが可能です。
(2)データ分析
ビッグデータは、企業や組織で広く活用されるようになりデータサイエンスへの注目が集まっています。ビッグデータの中には、非構造化データ(例:メールや動画・音声ファイルなど)と呼ばれる特定の構造を持たないデータがあります。このようなデータの収集や分析、解析などを行い、法則性や関係性などを導き出し企業や組織の意思決定を支援する専門家がデータサイエンティストです。そのデータサイエンティストが使用する統計解析ツールについて紹介します。
NumPy
NumPyは、高速な行列演算を可能にする科学計算のライブラリです。NdarrayまたはArrayで多次元配列を生成することができて配列の形状を変換できます。
例えば、1次元配列を2次元配列や3次元配列にすることが可能。生成した配列に対して、配列同士の加減乗除などの算術演算やdot関数を用いて行列積もできます。
さらにリストやタプルと同様、要素の範囲を指定するスライスや、要素番号を指定するインデックスも利用可能です。
Pandas
Pandasとは、多次元配列を高速かつ柔軟に操作や分析ができるライブラリです。1次元配列の「Series」は、インデックスやスライスを使用して要素を操作できるのに加え、ラベルを付与することでデータに意味を持たせることができます。2次元配列の「DataFrame」は、各行と各列にラベルを付与することでデータの操作が可能。ラベルを用いた操作がNumPyと異なる特徴です。「Series」や「DataFrame」では、平均値や合計値、分散、中央値などの統計情報を簡単に計算できるためデータ分析において非常に便利です。
ファイルの入出力については、DataFrameのデータをCSVやExcelへ書き出したり、CSVやExcelから読み込むことができます。なお、Jupyter Notebookを利用することでDataFrameがHTML化され、表形式で視覚的にわかりやすく表示されます。
(3)機械学習
機械学習は、過去のデータ(学習データ)や未知のデータをもとに、学習した判断基準を用いて未知の結果を予測したり分類したりする技術です。
機械学習において、「説明変数」「目的変数」「モデル」が重要な要素になります。
説明変数:結果に影響を与える入力データ
目的変数:説明変数の影響を受けた結果
モデル:予測や分類に使用する判断基準
モデルにおける手法として、主に「教師あり学習」と「教師なし学習」があります。
「教師あり学習」は、学習データに正解が存在するものを与えて学習させる手法。教師あり学習から、さらに「分類」と「回帰」の2種類に分かれます。
一方、「教師なし学習」は、学習データに正解が存在しないものを与えて学習させる手法。さらに「クラスタリング」と「次元削減」の2種類に分かれます。
例えば、花の品種を予測する場合、教師あり学習(分類)の「分類木モデル」を使って学習させ、花びらの長さや幅などの特徴をもとに木構造で条件を分けていき最終的に花の品種を予測します。
次に、機械学習で利用されるライブラリについて紹介します。
scikit-learn
scikit-learnは、機械学習で使用するためのライブラリです。学習データの特徴に応じて、「教師あり学習」や「教師なし学習」といったさまざまなアルゴリズムを選択できます。学習させるにはfit関数を使用し、予測や分類を行う際にはpredict関数を使用。これにより、未知のデータに対する予測結果が得られます。
まとめ
Pythonは、Webアプリケーション開発やデータ分析、機械学習といった幅広い分野での活用が可能です。また、豊富なフレームワークやライブラリを活用すれば、効率的に開発を進めることができます。この記事で紹介したフレームワークやライブラリを使って、実際に手を動かしながら学んでいきましょう。イーランサーではフリーランスエンジニアのサポートをさせて頂いております。是非簡単エントリーでお気軽にご相談下さい。
