今さら聞けない!Eclipseの特徴や基本を紹介
ソフトウェア開発においてエンジニアが効率よく開発を進めるうえで、統合開発環境(IDE)は欠かせないツールです。その中で、Eclipseは主にJava言語の開発に使用され、長年にわたり多くのエンジニアに支持されてきました。近年では、AIの支援によってコーディングがより効率的になり、さらに便利に活用できるようになっています。本記事では、Eclipseの特徴やインストール方法、おすすめのプラグインについて紹介します。
Eclipseとは
Eclipseは、JavaをはじめC/C++、PHP、Pythonなどさまざまなプログラミング言語に対応した統合開発環境です。オープンソースで提供されており、個人開発から企業でのプロジェクトまで幅広く活用されています。また、日本語化されているため、初めて利用する人でもスムーズに使い始めることができるでしょう。
Eclipseの特徴
豊富なプラグイン
豊富なプラグインを活用することで開発環境を自由にカスタマイズできます。
Eclipse Marketplaceから簡単にインストールでき、開発に必要な機能を手軽に追加できます。
Eclipse Marketplace:https://marketplace.eclipse.org/
マルチプラットフォーム対応
WindowsやMac、Linuxといった、さまざまなプラットフォームに対応しているため、環境を問わず開発を進められるのも大きなメリットです。
構文のハイライト表示
構文のハイライト表示は、クラスやメソッド、変数などに異なる色を割り当てることが可能です。
デフォルトの設定でも適切に色分けされていますが、開発スタイルや好みに応じて自由にカスタマイズできます。例えば、クラス名をより目立つ色にしたり、コメントの色を変更して読みやすくしたりすることで自分にとって最適な開発環境を作ることが可能です。
構文エラーや論理エラー
エラーには、大きく分けて「構文エラー」と「論理エラー」の2種類があります。
構文エラーとは、プログラムの文法に誤りがある場合に発生するエラーです。例えば、記述ミスやスペルミスなどが原因で発生。該当箇所に赤い波線やエラーマークで視覚的に表示されるため、エラーを素早く発見し修正できます。
一方、論理エラーとはコードの文法に問題はないものの、開発者の意図とは異なる挙動をする場合のことを指します。例えば、計算結果が想定と異なる場合や条件分岐が意図した通りに動作しないなど。このような場合には、デバッグ機能を活用すると原因を特定しやすいでしょう。
コード補完機能
コード補完機能を使うと、クラス名やメソッド名をすばやく入力できるため、開発の効率が大幅に向上します。例えば、「System.」と入力すると、Eclipseが利用可能なメソッドやフィールドの候補を自動で提示。
正しいクラス名やメソッド名を簡単に選べるので、タイプミスを防ぎながらスムーズにコーディングできます。
デバッグ機能
デバッグ機能を使うと、プログラムの実行途中で変数の値や処理を詳細に確認できます。例えば、ある条件でプログラムが想定通りに動作しない場合にブレークポイントを設定し、変数の値を確認しながら問題を特定できます。これにより、問題の発見や修正を効率的に行えることが大きなメリットです。
リファクタリング機能
リファクタリングとは、プログラムの内部構造を見直すことです。内部構造に問題があると、仕様変更や機能追加でプログラムに手を加えた際に不具合を引き起こす可能性があります。そこで、リファクタリングを行うことで、コードの可読性や保守性を高めプログラムの品質を向上させることができます。
Eclipseのインストールとプログラムの実行
Eclipseは、「公式サイト」または「Pleiades All in One」からダウンロードしてインストールするだけで簡単に利用ができます。
本記事では、Java開発を想定して日本語化された「Pleiades All in One」をダウンロードしてインストールする手順を紹介します。さらに、最後に簡単なプログラムを実行する方法も解説。
1. Eclipseのダウンロード
(1)「公式サイト」または「Pleiades All in One」のURLにアクセスする。
公式サイト:https://www.eclipse.org/downloads/
Pleiades All in One:https://willbrains.jp/
(2)Eclipseのバージョンを選択し、OSに対応したプログラム言語のパッケージをダウンロードする
2.インストールの手順
(1)ダウンロードしたパッケージをダブルクリックすると下図が表示されるため、左側のアイコンを右側のアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップする。
(2)下図の画面が表示されたら「完了」ボタンを押下する。
(3)[システム設定]-[プライバシーとセキュリティ]を選択し、右ペインのセキュリティ項目に表示されている「Eclipseがブロックされました」というメッセージの右隣りの[このまま開く]ボタンを押下する。
(4)下図の画面が表示されたら[このまま開く]ボタンを押下する。
(5)下図の画面が表示されたら、「Touch ID」か「パスワード」を入力する。
(6)Eclipseが起動し、下図の画面が表示されたらワークスペース・ディレクトリーは、任意の場所を選択して[起動]ボタンを押下する。
(7)Eclipseが起動完了すると、下図の画面が表示される。
3.簡単なプログラムを実行
(1)メニューバーから[ファイル]-[新規]-[Java プロジェクト]を選択する。下図が表示されたら以下の項目に記入して[完了]ボタンを押下する。
プロジェクト名:任意の名前
(2)先ほど作成したプロジェクト名を展開し、「src」で右クリックし「クラス」を選択する。
(3)下図が表示されたら以下の項目を記入して[完了]ボタンを押下する。
名前:任意の名前
public static void main(String[] args):チェックを付ける
(4)プロジェクト内にあるJavaファイルを開き、以下のコードを記述する。
public class Java {
public static void main(String[] args) {
// TODO 自動生成されたメソッド・スタブ
System.out.println(“Hello, World!”);
}
}
(5)メニューバーの[実行]-[実行]を選択すると、コンソール上に「Hello, World!」が表示される。
おすすめプラグイン3選
Thymeleaf
Thymeleaf(タイムリーフ)は、Spring Bootで広く利用されているテンプレートエンジンです。テンプレートとデータを合わせて動的なコンテンツを簡単に生成できます。
SpotBugs
SpotBugsはバグパターンと呼ばれ、エラーとなる可能性の高いインスタンスを探します。これにより、Javaコード内のバグを見つけることができます。
GitHub Copilot
GitHub Copilotは、AIがコーディングを支援してくれるプラグインです。主な機能として、コンテキストに応じたインライン提案やリアルタイムでのコード補完などがあり、開発スピードや生産性の向上になるでしょう。
まとめ
Eclipseは、長年にわたり多くの開発者に支持されている統合開発環境です。本記事では、Eclipseの特徴からインストール方法、さらにプラグインまでを解説してきました。近年では、GitHub CopilotのようなAIによるインライン提案やリアルタイムでのコード補完により、より効率的にソフトウェア開発を進められるでしょう。
